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「そこまで入れる必要ある?」文章詰め込み問題に対する3つの解決方法

こんにちは、鶴川です。
このお仕事をしていると、よく遭遇するのが「伝えたいことを詰め込みすぎたが為に、もっとも伝えたいメッセージが埋もれてしまった、本末転倒なデザイン」。
なぜ、そんなことが起こるのか?起こった場合、どうすればいいか?を今回のブログテーマに書きたいと思います。

そもそもなぜそんなことが起こるの?

要因は、クライアント側と制作側の両方にあります。

クライアント側の問題

クライアント側の問題として、自社や、自社の商品・サービスに対する強みに優先度がつけられないこと、また担当や責任者の主観で最終的なデザインの形状を指示してしまうことにあります。

この商品のキャッチコピーは”日常を特別にする極上タオル”です。30代・40代の女性に向けて開発しました。2018年度に●●部門で特別賞を受賞しました。雑誌などメディアに取り上げられています。メイドインジャパンで、素材も国産です。しかも●●ブランドの糸を使ってます。製造工程では手間をかけてこだわりました。国内でこの技術を持つのはうちだけです。順調に売り上げを伸ばしていってます。創業40年の歴史があります。これらの情報はすべて大事なので、ファーストビューに入れてください。写真はこれを使ってください。テキストは目立たせたいから赤文字でお願いします。ここは背景色に黒を敷いて特に目立たせてください。

もちろん強みが沢山あるというのはそれだけ良い会社(サービス・商品)であるということです。ただエンドユーザーがその沢山の情報をすべて読んでくれるのでしょうか。ユーザーはすでに沢山の情報の中から選択してこのページに辿りついています。すでに「おなかいっぱい」な状態です。そこに「美味しいからこれを食べて。あれもおすすめだから食べて。うちの売りはとくにこれだから食べて。」と要求してしまうと、そんなにいらない。そういうつもりで来たんじゃない。と離脱してしまいます。
またデザインの指示については、もちろん専門知識を持つ方なら的確な指示が出せるでしょうが、そうでない人がすると「想像」や「好み」に寄りすぎてしまい、悪目立ちする、逆に見づらくなる、印象が悪化する、などの悪影響を出しかねません。

制作側の問題

制作側の問題としてよくあるのは、クライアントの要望に対して「わかりました」と二つ返事してしまうことです。

クライアント「あれもこれも入れたいんです。入りますかね?」
ディレクター「はい。まだここに隙間があるので、入ります。」

オイ!と社内からツッコミが入るダメなやりとりです。「入るか入らないか?」が焦点ではなく「入れるべきかどうか?」です。このようなやりとりが発生してしまうのは、ディレクターのイエスマン気質もありますが、実務経験が浅い人にありがちです。
クライアントの要望をすべて聞く、で終わってはいけません。クライアントの要望をすべて聞いた上で、エンドユーザーの視点に立ち、よりゴールに向かえる提案をする。までが仕事です。

詰め込み問題をデザインで解決する方法とは?

それでは実際、文章詰め込み問題が発生した時にデザインで出来る解決案を出していきましょう。

1エリア内に収める情報を取捨選択する

ファーストビューはWEBサイトの一等地。だからこそ企業が伝えたいことはすべてそこに詰め込まないとユーザーには見てもらえないし反応も取れない。と思っている方もいますが、それは間違いです。
たしかにファーストビューはまずユーザーの目に入る大事なスペースです。
ただそこで「文字だらけで読む気が失せる」「褒め言葉だらけで嘘くさい」と、悪印象を与えてしまうとファーストビューはユーザーの目には入っても、サイトは見てもらえないのです。

まずはファーストビューで「興味」をくいっと引っ掛けて、あとはスクロールしてもらう・下層ページへ遷移してもらう。
奥へ奥へ情報の深度を高めていき、どんどん進みたくなるサイト構造が大事です。

ファーストビューに入れる要素

・30代・40代の女性向け
・キャッチコピー
・売り上げ
・メイドインジャパン
・特別賞受賞

コンテンツで伝える要素

・国内で唯一の技術
・国産素材
・雑誌などメディア掲載
・素材はブランドもの
・製造工程の手間
・創業40年の歴史

2イメージで代替できる情報はイメージで配置する

例をみてみましょう。

「行きたい」とありますが、これではどこに行きたいのかはわかりませんね。


行きたい場所がわかりました。


行きたい場所と季節・天候がわかりました。


行きたい場所と季節・天候がわかり、その場所に行って何をしたいかまでわかりました。

では、一部の文章をイメージに変えてみましょう。

文章は最初の「行きたい」だけになっても、どこに行って、何がしたいかがわかるようになりました。

このように、文章をイメージに置き換えることができるものは画像化することで文章量を減らすことができます。また人の目は文字よりもイメージ情報に視線が向かう(さらにいうと、静止画より動画に行く)ため、「目に止めてもらう」にはイメージ化の方が効果的です。

画像化できるもの・できないもの

・キャッチコピー → 画像化できない
・30代・40代の女性向け → できる
・売り上げ → できない
・メイドインジャパン → できない
・特別賞受賞 → できない

3情報を優先度順に強弱をつける

最後に、情報順に強弱をつけます。
ここまでで一等地に入れる情報は「キャッチコピー」「ターゲット層」「売り上げ」「産地」「受賞履歴」です。
ターゲット層はイメージ化するため、3〜40代の女性の写真を配置します。残る4つの項目に優先度をつけましょう。優先度は、1.企業の伝えたいこと 2.ユーザーの求めること の2つの視点で見ます。

情報の優先度

1. キャッチコピー → 商品ブランディングのため
2. 売り上げ → 成長性・実績アピール
3. メイドインジャパン → こだわりを持つ人への訴求
4. 特別賞受賞 → 他社評価アピール

優先度が決まったら、高いものから目に入るようにデザインをします。方法は「大きくする」「色を変える」「十分な余白を確保する」「色背景を敷く」などあります。ここらへんは、デザイナーにおまかせください。

まとめ

オーダーを何でも言うとおりに聞いてくれる制作会社はクライアントから見ると好印象かもしれませんが、「かしこまりました」が続き提案がまったく出てこないのならば、その会社はあなたの会社の成功を考えてくれているのか、を疑問を持ってください。
私たちも、もちろん良いと感じた意見は取り入れますし、経験上良くないと感じたご意見があれば、提案で返すようにしています。