2014.03.30 Sun

会社戦略 〜PPM分析〜

PPMとは、市場成長率と市場シェアの2次元で個々の事業単位を位置づけ、キャッシュの流れをコントロールして、会社全体として、適切な利益と成長を達成するための方法です。
コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループが考案した事業ポートフォリオを考えるフレームワークで、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略です。

PPMでは、どこでキャッシュが生み出され、どこでキャッシュが必要なのか、常に念頭に置きながら見ていきます。


これらの4つのセルには、それぞれの特徴に合わせて名前がついています。
右上の「問題児」は、成長性が高いにも関わらず、市場シェアが低いので、キャッシュを大量に使う。
左上の「花形製品」は、そのまま順調に育てば、将来的に大量のキャッシュを生み出す事業になる可能性が高い。
左下の「金のなる木」は、大量のキャッシュを生み出している。
右下の「負け犬」は、すでに勝負のついてしまった業界でトップになれなかった事業である。

PPM分析・事業単位の戦略指針

PPM分析のキャッシュ・フロー最適化に基づき、それぞれの事業に対して戦略指針が決定されていくようになります。
その方針は4つに大きく分かれていきます。

1 構築せよ(Build)=シェア拡大

問題児の中にある花形製品へ成長する可能性のある事業、または花形製品にもまだ僅差でトップになれていな事業は、
さらなるシャア拡大をし、圧倒時に強い事業へと育てていく。

2 維持せよ(Hold)=シェア維持

すでに強力な市場地位をもつ花形製品は、これ以上シェアを拡大するのではなく、維持することを第一にする。
また、安定した市場地位をもつ、金のなる木も維持をするために投資を行う。

3 収穫せよ(Harvest)=徐々に衰退して、キャッシュの創出を最大化

すでに衰退期に入ってしまった金のなる木は、もはや維持ではなく、現状の設備のまま、キャッシュを生み出すことに注力するほうがいい場合もあります。
負け犬の中には、業界で2番手、3番手であっても、利益を安定的に出しているものもあります。
その場合は、投資を控え、現状のままキャッシュを生み出させるようにします。

4 資金回収せよ(Withdraw)=できるだけ早く売却、あるいは精算

問題児の中で、弱い市場地位にあるものは、投資ではなく、早めに売却、あるいは精算をした方が良いケースがあります。

これらの戦略指針が明確になることで、各事業単位に最適な人選を予測することができます。
上記にあげた1〜4にはどういった人材を統括責任者として充てがうべきなのか。

このように事業単位に与えられた戦略方針に基づき、経営に関わる業務全般を一貫して構築することを「戦略経営」といいます。

PPM分析・キャッシュ・フローのマネジメント

PPM分析を使って、どののような戦略をみていけばいいのかを考えなければいけません。
各セルの事業部のキャッシュ・フローを、市場成長率と市場シェアで分け、そのキャッシュをどのように管理していくべきなのか。
今後利益を上げていくのに、の中心とすべき事業・商品は何かを分析し、今後の経営資源・投資戦略などを検討するのです。

注意しなければいけないので、完全に独立採算制を取るのでもなく、単純な調整を行うだけでもありません。
単年で見ていくのではなく、どこにキャッシュが溜まりやすいのか、または、どの事業部が必要がないかを見極めることです。

PPM分析による事業戦略の理想は、「金のなる木」で得たキャッシュを「問題児」への投資に充て、その「問題児」を「花形商品」に育てあげ、積極的な投資を行ってシェア率を高めることです。
将来的には「金のなる木」に成長させる、という具合に行なうのが理想となります。

そのなかで投資を抑え、現金化するべき「負け犬」は、図から消去、もしくは、少しづつ小さくしていくような場合も当然出てきます。

重要なのは、ひとつひとつの独立採算性でもあり、全体を見た時のの成長性と利益率のバランスを最適に調整をすることなのです。

 

会社戦略 記事一覧はこちら

WRITERこの記事を書いた人

横山祐樹

横山祐樹

株式会社ジーニアスウェブ 取締役 お客様の課題と問題の両方を解決するべく、日々取り組んでいます。

株式会社ジーニアスウェブ 取締役 お客様の課題と問題の両方を解決するべく、日々取り組んでいます。

FREE DOWNLOAD

顧客獲得に成功した24社の成功事例を1冊にまとめました。
顧客獲得にお困りの方も、そうでない方も、一度お読みいただくことをお勧めします。

MORE VIEW